土曜の銀座のお楽しみ。
ふらっと来て頂ければ、ちょっと贅沢なワインをすこしづつ…。そんな時間をシノワ銀座で過ごしてみませんか?
普段なかなか飲み比べる機会の少ないワインをお楽しみください。
28 Saturday
~天国の父へ捧げる翌年のフラッグ・シップ~
「ロワールの鬼才」受け継がれる魂の叫び
ロワール地方は1000キロを超す長いロワール河流域に広がるフランスでも随一のワイン産地で、プイィ・フュメはその上流に
位置し、常に対岸のサンセールとソーヴィニヨン・ブラン種におけるライバル的な存在であります。
ロワールのみならず、世界屈指の白ワインの造り手でありその風貌とワインのスタイルから「ロワールの鬼才」と称された、ディディエ・ダグノー。
伝統的なロワール地方のワイン造りに疑問を持ち、ローヌの異才「アラン・グライヨ」、ボルドーの白ワイン造りに革命を起こした「ドゥニ・デュブルデュー教授」、ブルゴーニュの神様「アンリ・ジャイエ」といった、世界的名手に指導を仰ぎました。
そして、有機栽培と厳しい剪定、新樽を使った熟成、区画ごとの瓶詰めなど、当時のロワールとしては挑戦的なワイン造りを実践した結果、一躍ロワールのトップ生産者として評されるまでになったのです。
しかし、2008年ディディエ・ダグノー氏は飛行機事故により、52歳という若さで急逝。
彼の後を継いだのが息子のルイ・ベンジャミン・ダグノー氏です。
ダグノーの名にふさわしい、飲むものに深い感銘を与えるワインを生み出し、ワインアドヴォケイトを始め各誌の評価において、ときに父を超える程の高い評価を獲得。こちらのワインの名になっている「シレックス」とは、主に石器時代、火打ち石や刃物の原料として使われていた「ペクトライト」と呼ばれるケイ酸塩鉱物のこと。
ダグノーのプイィ・フュメ・シレックスの畑は、醸造所の裏を中心に数区画、計約4haほどの広さで、粘土質の土壌に大きなシレックスがたくさん転がっています。
ブドウ樹はほとんどが樹齢80年の古木で、シレックス土壌由来の鉱物的なミネラルを存分に味わうことが出来ます。
1985年から造り続けている、ダグノーのフラッグシップワインともなっています。
「シレックス」はソーヴィニヨン・ブランの概念を覆す、噛みしめるような厚みのある味わいで一生に一度は飲みたいワインの代名詞です。
- 2009 Pouilly Fume Silex / Dagueneau プイィ・フュメ シレックス / ダグノー
¥3,800 税込 ¥4,104
21 Saturday
~ボルドーワインの弛みない進化~
グラーヴ地区、格付けシャトーの紅白
ボルドーワインと言えば、左岸のメドック地区、右岸のサン・テミリオン地区が有名ですが、ボルドー市南に位置するグラーヴ地区も忘れてはいけません。
有名どころでいくと、オーブリオンや、ラミッション・オーブリオンがあります。
1953年に格付けが行われ、16のシャトーが「クリュ・クラッセ」(特選)として選出され、現在は15のシャトーとなっています。
グラーヴの格付けは「赤のみ」「白のみ」「赤・白ともに」となっていますが、ラトゥール・マルティヤックは
「赤・白ともに」の優良シャトーといえます。
このシャトーの白ワインは常に、とりわけ1980年代半ばからは良好ですが、赤ワインは無味乾燥であからさまにオークっぽいことが良くありました。
近年は状況が変わり(ミシェル・ロランがコンサルタントに招聘されてから、1998年以降のヴィンテージは、それ以前と比較して素晴らしく良くなっています。
健全に造られており、そのために消費者の注目を集めるにふさわしく、ラトゥール・マルティヤックのワインは、なおも進化の過程にあります。
グラーヴ地区は近年の高値高沸の影響をあまり受けていない掘り出し物のエリアです。
素晴らしいワインはまだまだあります。
是非この機会に一度お試しください。
- 2011 Chateau Latour Martillac Blanc シャトー ラトゥール マルティヤック ブラン
- 2000 Chateau Latour Martillac Rouge シャトー ラトゥール マルティヤック ルージュ
¥3,500 税込 ¥3,780
14 Saturday
~大輪の花束を抱えて~
「エシェゾー」という煌めきの特級畑
モンジャールの姓は17世紀の初め、1620年頃からブルゴーニュで見られ、代々ブドウ栽培を生業としてきた家系です。
現当主ヴァンサン・モンジャールの父、ヴォーヌ・ロマネ村の村長も務めたジャンの時代にドメーヌは大きく成長。
さらにヴァンサンが拡大し、現在、ブドウ畑の面積は33ha。
北はマルサネから南はサヴィニー・レ・ボーヌまで35のアペラシオンに散らばっています。ちょっとしたネゴシアン並みの規模だといえます。
リシュブールも所有するとはいえ、このドメーヌの華はなんといってもエシェゾーとグランゼシェゾー。
それぞれ2.6ha、1.44haという面積は、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティに次ぐ広さです。
父ジャンの時代、このドメーヌのワインは新樽の香りが顕著に感じられたものが、近年のワインは樽香が果実味の中にきれいに溶け込み、洗練さを増しています。
造りの違いから、男性的なグラン・エシェゾーと、女性的なエシェゾーと評価されていて、エシェゾーは若くから楽しめるスタイルで、「大輪の花束を抱えているような」、と形容されることもあります。
くらくらするような赤い果実の香りにノックアウトされること間違いなし!!
- 2014 Echezeaux / M.Mugneret エシェゾー / モンジャール・ミュニュレ
¥4,700 税込 ¥5,076
7 Saturday
~あなたのお好みどちらっしぇ!?~
グレートヴィンテージの2015年を切れ味抜群なシャルドネで利く
ブルゴーニュでも最高のシャルドネが生み出される二つの村を優良生産者で飲み比べてみてください。
ドメーヌ・ポール・ペルノは1850年の創業以来、常にピュリニ・モンラッシェのトップドメーヌであり続ける造り手のひとつです。
現在では創業者の孫とその息子たちの手によって運営されております。計16.19ヘクタールに渡るバラエティに富んだ優良な畑を所有し、
非常に丁寧な栽培が行われています。
多くの優良な畑を所有しており、以前はジョセフ・ドルーアンなどに販売していましたが、現在はほとんどのワインを自分たちの名前で元詰めしています。
葡萄の収量を抑え、たっぷりと新樽を使うことで驚くほど芳醇で濃厚な造りに仕上がっており、その偉大なワインはピュリニーの造り手ではルフレーヴ、ソゼと並び三本の指に数えられる名手です。
ドメーヌ・ミッシェル・ニーヨンは1970年創業のまだ新しいドメーヌですが、その歴史は彼の祖父の代からになります。
祖父レオン氏、そして父マルセル氏の代までは、3haほどの畑しか所有しておらず、ブドウは全てネゴシアンに樽売りしていました。
若干14歳のころから畑で働き始めていたミッシェル氏は、1957年に畑を両親から引き継ぎ、一部のワインを友人や少数の顧客に販売することから始め、その後、自身のドメーヌを立ち上げました。
現在ではドメーヌ・ラモネと双璧を成す白ワイン最高峰の生産者の1人と評価されており、シャサーニュ・モンラッシェのお手本ともいうべき、芳醇なアロマが特徴の柔らかでリッチな味わいで「シャサーニュ村の雄」と評され、羨望の的となっています。
記録的なグレートヴィンテージとなった2015年、二大生産者でどちらっしぇしませんか!?
- 2015 Puligny Montrachet / P.Pernot ピュリニー モンラッシェ / ポール・ペルノ
- 2015 Chassagne Montrachet / M.Niellon シャサーニュ モンラッシェ / ミッシェル・ニーヨン
¥2,800 税込 ¥3,024
30 Saturday
~天は時として二物を与える~
若きイケメン天才醸造家の生み出すテロワールの歌声
最近、ブルゴーニュではドメーヌの世代交代にともない、優秀な若手醸造家の台頭が目立ちます。
その代表的な醸造家が、ダヴィド・デュバンです。
90年代中頃から、着実に力をつけ、若手醸造家の中では確実にトップ・クラスの実力と人気を誇ります!
厳格な評価で定評のあるワインバイヤーズガイド「メイユール・ヴァン・ド・フランス」で2015年、遂に三ツ星生産者となりました。
他、ブルゴーニュの三ツ星生産者は、ロマネ・コンティ、アルマンルソー、ルーミエ、ルロワ、ルフレーヴなどの錚々たる作り手ばかりです。
1971年に父親がドメーヌを始め、生産された全量が生産者協同組合に販売されていましたが、90年に19歳で学校を卒業して、彼がワイン造りに携わるようになります.
デュバンはテクニックをあまり導入せず、自然な状態で発酵・熟成させ、最高のブドウを収穫することが最も重要であると考え、ブドウ栽培に重きをおいています。
ふわっとしたエアリーな酒質ながら、きっちりとテロワールが表現された、長熟かつ、若いうちからもお楽しみいただける逸品揃いです。
男性的なジュブレシャンベルタン、エレガンスの極み、シャンボールミュジニー、その中間的性格のモレ・サン・ドニ。
ブラインドで飲っても面白いかもしれませんね!?
デュバンワールドに酔いしれてください。
- 2014 Gevrey Chambertin ジュヴレ シャンベルタン
- 2014 Morey Saint Denis モレ サン ドニ
- 2014 Chambolle Musigny シャンボール ミュジニー
¥3,900 税込 ¥4,212
16 Saturday
~タフネスとエレガンスの共演~
メドック第一級格付けワインの片鱗を垣間見る
昨今のワイン高沸の勢いはとどまることを知りません。
昔は「ちょっと頑張れば手が届く」、そんなイメージのメドック第一級格付けワインもいまやあまりに高嶺の花。
また、それらのワインは熟成してこそ真価を発揮するもので、購入しても忍耐の必要なワインでもあります。
フラストレーションが溜まる一方!でもちょっと待ってください。
実はこんな素晴らしいアイテムがあるんです。その名も「サード・ラベル」。
ファーストラベルに比べ、圧倒的に生産量が少ないのであまり認識がないかもしれませんが、その存在は知る人ぞ
知る、そんなアイテムです。
ポイヤック ド ラトゥール
第一級格付けワインで最もタフネスで筋肉質といわれるラトゥールですが、サードラベルはメルローの比率が
高く、しなやかで酸とタンニンのバランスが若い内から楽しめます。
当初、1973年に初めてリリースされてから、1974年、1987年にしか生産されなかったことから、 "ボルドーの幻"と呼ばれました。1990年以降、シャトー・ラトゥールやレ・フォール・ド・ラトゥールの酒質レベルを常に一定以上に保つため、毎年生産されるようになりました。
セパージュ:カベルネ・ソーヴィニヨン55%、メルロ44.5%、カベルネ・フラン0.5%
マルゴー デュ シャトーマルゴー
第一級格付けワインで最もエレガンスで女性的と言われるマルゴーですが、2000年代中ごろから、
カベルネ・ソーヴィニヨンの比率を高くする方向にシフトしています。
良質なメルローの使い道を模索した結果生まれたのが2009年ヴィンテージからのサードワインです。
セパージュ:カベルネ・ソーヴィニヨン40%、メルロ50%、プチ・ヴェルド10%
現在、サードラベルをリリースしている五大シャトーはこの二つ。将来的に他のシャトーも出馬の可能性は
十分にありますが、その前に是非一度お試しいただきたい素晴らしい味わいです。
- 2011 Pouillac de Latour ポイヤック ド ラトゥール
- 2012 Margaux du Chateau Margaux マルゴー デュ シャトー マルゴー
¥4,500 税込 ¥4,860
9 Saturday
~カール大帝の愛した特級畑のシャルドネ~
偉大な丘、黄金色の至福の便り
ボノー・デュ・マルトレイは、所有する畑は全てグラン・クリュという稀有な造り手。
こんなドメーヌは、他にはドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティしかありません。
所有している11haの畑はコルトン・シャルルマーニュ9haとコルトン2haのみで、特にコルトン・シャルルマーニュはその抜きん出た品質の高さで知られています。
9haの畑を所有しているコルトン・シャルルマーニュの一部は、その名前の由来ともなったカール大帝(シャルルマーニュ大帝)が所有していた畑そのものです。
775年に、カール大帝から教会に寄進される以前からワイン造りが行われており、カール大帝の美しい白髭が赤く染まることを嫌がったお妃が、すべて白ブドウに植え替えさせたことから白ワイン造りが始まったと言う逸話もあるほどです。
最高のテロワール、そしてそれだけではないたゆまぬ努力と愛情が史上最高ともいえるこのコルトン・シャルルマーニュを生み出すボノー・デュ・マルトレイ。
フランスの著名なワインガイド、メイユール・ヴァン・ドフランスでは、コント・ラフォン、ルフレーヴと並び、三つ星を獲得、「非の打ち所が無く順調な歩みを見せている模範的なドメーヌ」と評価されています。
若いうちから開け広げな性格とは言い難いコルトン・シャルルマーニュは熟成してこそその真価を発揮します。
モンラッシェ系やムルソーのようなシャルドネとはまた違った魅力が楽しめるのもブルゴーニュの
醍醐味といえるでしょう。
18年熟成のコルトン・シャルルマーニュ、カール大帝の描いた未来をこのグラスの中に魅せられてください。
- 1998 Corton Charlemagne / Bonneau du Martray コルトン シャルルマーニュ / ボノー デュ マルトレイ
¥4,500 税込 ¥4,860
2 Saturday
20年というヴェールを脱ぐ王道シャンパーニュの味わいとは
手仕事の芸術品
10週に渡り、行ってきた「シノワ銀座 夏のシャンパーニュ祭」のオオトリを飾るのがこちら!!
200年以上の歴史を持ち、シャンパーニュの頂点に立つ老舗メゾン、ルイ・ロデレール。
その起源は1776年に遡り、1876年、ルイ・ロデレール2世の時代にはロシア皇帝アレクサンドル2世の要望によりクリスタルの瓶に入れられたシャンパーニュが献上されました。
これが、彼らのトップキュヴェ「クリスタル」となり現在も最上級のシャンパーニュとして世界的に広く知られています。
ブリュット・ヴィンテージは、シャンパーニュのピノ・ノワールが持つ多様で複雑な香りに魅了されたルイ・ロデレールが、ランス山脈のピノ・ノワールが持っている力をベースにして造り上げた一本。
ブドウは北東向きの畑でゆっくりと熟すので、熟成が開始した段階ではまだ閉じた状態のままになることがありますが、逆に言えば長期熟成により素晴らしいものになります。
肉厚な果実味が、バラやイチジク、ダークチョコレートの華やかで深みある風味へと変化し、フレッシュさと、エネルギーに満ちた余韻がいつまでも残る華麗なシャンパーニュに仕上がっています。
王道が王道たる由縁がここにあります。是非、貴方の五感を総動員してこの至極の味わいを感じてください。
- 1996 Louis Roederer Brut Millesime ルイ ロデレール ブリュット ミレジム
¥5,000 税込 ¥5,400