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第39回
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麗春にピアノ・トリオ(三重奏)の王道を聴く
今回のサロンコンサートはシノワ初登場となるピアノ・トリオ(三重奏)を楽しみます。ピアノ、ヴァイオリン、チェロの3つの楽器が三位一体となって紡ぎ出す音の空間=小宇宙は室内楽とは言えまさに小さなオーケストラ。
そんなピアノ・トリオの頂点に燦然と輝くベートーヴェンの『大公トリオ』作品97は数ある三重奏の中でも王道を行くもの。この三重奏の『大公』という呼び名は、ベートーヴェンの最大のパトロンで友人でもあったルドルフ大公にこの曲が献呈されたことに由来しますが、ピアノが奏でる音楽的なベースの上にヴァイオリンとチェロが絡みあって、力強い輝きに満ちたベートーヴェンらしい小宇宙が展開して行きます。
また変ホ長調という調性はベートーヴェンを代表するもので、有名な『英雄交響曲』も同じ調性・変ホ長調で書かれています。全体は四楽章で構成され、明るく喜びに満ちた第一楽章。躍動感あふれる第二楽章アレグロ。ゆったりとした優雅な第三楽章アンダンテ・カンタービレ。快活な動きのある第四楽章と、ベートーヴェンの魅力満載の『大公トリオ』はワインに例えるなら個人的にはシャトー・オー・ブリオン、まさにピアノ三重奏の王者と言えるでしょう。そんな素晴らしいベートーヴェンの『大公トリオ』を演奏するのは、シノワが誇る二人のミューズ、ピアノの藤原亜美さん、ヴァイオリンの大森潤子さん、それにチェロの巨匠、花崎薫さんのお三方です。今回『大公トリオ』を演奏するために、特別に編成された“プラチナ”のトリオによる演奏です。
それから『大公トリオ』以外にもう一曲。若きベートーヴェンが、交響曲の分野で彼独自の処方を確立した『交響曲第2番ニ長調 作品36』より、勇壮で威厳に満ちた第1楽章をピアノ・トリオ版で演奏します。この編曲はベートーヴェンの弟子、フェルディナンド・リースが行い、ベートーヴェンが監修したもので、一般的にはベートーヴェン自身によるピアノ・トリオ版と言われるものです。
この素晴らしい交響曲のピアノ・トリオ版を、オープニングに序曲として楽しんでいただきます。4月の終わりの麗春の午後のひと時、ベートーヴェンの『大公』をシノワのサロンで往時の貴族のように楽しむ贅沢を、皆さんと共に享受したいと思います。こぞってご参加ください。
オーガナイザー Itaru Haba
artist
ヴァイオリン
大森 潤子
藝大を首席で卒業後、同大学院修士課程
修了。明治安田生命QOL文化財団の助成を受け、パリ国立高等音楽院第三課程ソロ科、室内楽科修了。
安宅賞受賞。第63回日本音楽コンクール第2位。第12回ドゥエ国際コンクール第2位大賞。
第10回日本室内楽コンクール第1位。
パリ・ADAMI財団コンクール優勝により財団アーティストとして活動後に帰国。
湯布院、大垣、倉敷、ヴェネズエラの音楽祭、NHK-FM、フランス国営ラジオに出演。
ソリストとして藝大フィル、東京フィル、仙台フィル、札響、静響と共演。
2000年より(一財)地域創造の登録アーティストを務め、特に小学校へのアウトリーチは高い評価を受け、現在でも協力アーティストとして活動を続けている。
また、フコク生命アーティストとしての活動も行っている。2010年には東京と札幌でイザイの無伴奏ソナタ全曲演奏会を開催し、絶賛を博した。2015 年、フォンテックよりCD「Zephyr - そよ風」をリリース。
2008 年に始めた北星学園大チャペルでのバッハの無伴奏ソナタとパルティータによる演奏会は、現在も継続して行われている。
2006年~2017年、(公財)札幌交響楽団首席奏者を務めた後、2018年より(公財)富士山静岡交響楽団ゲストコンサートマスター、東京藝術大学非常勤講師。
artist
チェロ
花崎 薫
東京藝術大学在学中、ドイツ学術交流会給費留学生としてベルリン芸術大学留学。東京藝術大学在学中に安宅賞を受賞。1981年、第50回日本音楽コンクール、チェロ部門第3位入賞。
1986年、文化庁在外研修員としてドイツ、カールスルーエ音楽大学に留学。長年にわたり、新日本フィルハーモニー交響楽団の首席チェロ奏者として、歴代の指揮者のもとで、オーケストラを支えた。
現代音楽のアンサンブル、東京シンフォニエッタのメンバーとしても活躍し、2011年同団としてサントリー芸術財団、佐治敬三賞を受賞。現在、愛知県立芸術大学音楽学部教授、名古屋音楽大学客員教授、東京藝術大学非常勤講師、武蔵野音楽大学非常勤講師。2013年、ベートーヴェン、チェロとピアノのための全作品のCDを発売。
またメンバーを務めるエルデーディ弦楽四重奏団より、ハイドンその他のCDを発売している。
artist
ピアノ
藤原 亜美
東京藝術大学、パリ国立高等音楽院(満場一致の首席)卒業。第3回オルレアン20世紀音楽国際ピアノコンクール第1位受賞。アンサンブル・アンテルコンタンポランのアカデミーに参加。ソロ・室内楽奏者としての活動、特に初演作品に多く携わるほか、ソロを含むCD多数リリース。第49回と第51回レコードアカデミー賞(現代音楽部門)受賞。東京シンフォニエッタピアノ奏者。東京藝術大学、同附属音楽高校、東京音楽大学、日本大学芸術学部講師。
program プログラム
プログラム
1.ベートーヴェン作曲 『交響曲第2番ニ長調 作品36』より
第1楽章 アダージオ アレグロ・コン・ブリオ
ベートーヴェン(フェルディナンド・リース)自身によるピアノ・トリオ編曲版
2.ベートーヴェン作曲 『ピアノ・トリオ第7番 “大公” 変ホ長調、作品97 』
第1楽章:アレグロ・モデラート
第2楽章:スケルツォ、アレグロ
第3楽章:アンダンテ・カンタービレ
第4楽章:アレグロ・モデラート プレスト