レアものから年代ものまで、毎回様々なテーマを絞り込みセレクトしたシノワワイン会のご案内です。
お好きなお時間にご来店していただき、それぞれのテーブルでご自由にお楽しみください。
但しワインは
17:30
に抜栓します。
~ニュイ・サン・ジョルジュ村~
【グラン・クリュ不在の不思議な村】
2012 Nuits Saint Georges La Richemone Vignes Centenaires Cuvee Ultra(Perrot Minot)
2012 ニュイ・サン・ジョルジュ・ラ・リシュモーヌ・ヴィーニュ・サントネール・キュヴェ・ウルトラ(ペロ・ミノ)
2011 Nuits Saint Georges Aux Murgers(S.Cathiard)
2011 ニュイ・サン・ジョルジュ・オー・ミュルジュ(シルヴァン・カティアール)
2006 Nuits Saint Georges Les Chaignots(R.Chevillon)
2006 ニュイ・サン・ジョルジュ・レ・シェニョ(ロベール・ シュヴィヨン)
1999 Nuits Saint Georges Aux Perdrix(Perdrix)
1999 ニュイ・サン・ジョルジュ・オー・ペルドリ(ペルドリ)
1995 Nuits Saint Georges Aux Boudots(M.Camuzet)
1995 ニュイ・サン・ジョルジュ・オー・ブドー(メオ・カミュゼ)
1985 Nuits Saint Georges Clos de l`Arlot(P.Misserey)
1985 ニュイ・サン・ジョルジュ・クロ・ド・ラルロ(ポール・ミセレ)
1985 Nuits Saint Georges Les Vaucrains(H.Gouges)
1985 ニュイ・サン・ジョルジュ・レ・ヴォークラン(アンリ・グージュ)
1976 Nuits Saint Georges Aux Murgers(Cathiard.Molinier)
1976 ニュイ・サン・ジョルジュ・オー・ミュルジェ(カティアール・モリニエ)
まずは、2012年ペロ・ミノの「ラ・リシュモーヌ」・ヴィーニュ・サントネール・キュヴェ・ウルトラ。1973年に現当主クリストフの父アンリがドメーヌを設立。アンリ・ジャイエから薫陶を受けた現当主クリストフにより、一躍トップドメーヌの一員となりました。リシュモーヌは、ニュイ・サン・ジョルジュ村の北側に位置する畑で、ヴォーヌ・ロマネの歴史にその名を残すペルナン・ロサンが、ペロ・ミノに託した伝説の畑です。ヴィーニュ・サントネール・キュヴェ・ウルトラは、1902年に植樹された区画から造られており、100年を超える古木から造られる、グラン・クリュ並の力強さ、優雅さ、余韻の長さを備えた素晴らしいワインです。
続く、2011年シルヴァン・カティアールの「オー・ミュルジュ」は、カルト的な人気を誇り、探してもでも飲むべき生産者と言われているドメーヌです。1930年代に祖父が設立し、1969年に父親が引継ぎ、2011年からは、現当主のセバスチャンが後を継ぎ、現在に至っています。1980年代から父のアンドレとともに働きはじめ、ドメーヌの品質をブルゴーニュの最上位レベルにまで引き上げました。畑はヴォーヌ・ロマネ側の緩い斜面にあり、ニュイ・サン・ジョルジュらしい深みや濃厚なニュアンスのある、ブルゴーニュの模範的な畑とされていています。
2006年ロベール・ シュヴィヨンの「レ・シェニョ」は、この村最良のドメーヌで、現在はロベールの二人の息子、ベルトランとドゥニが運営に当たっています。その実力はルソーやルーミエと肩を並べるほどで、偉大なドメーヌでありながら、価格は半額以下と、超お値打ちのドメーヌです。ヴォーヌ・ロマネ村側に位置する1級畑。
ここからは偉大なヴィンテージが続きます。1999年ドメーヌ・ペルドリの「オー・ペルドリ」は、アントナン・ロデの社長を努めていたベルトラン・ド・ヴィラールが1996年に設立しました。醸造家には、ジャック・プリュールなどを手がけ、フランスのワイン誌「ラ レヴュー ド ヴァン ド フランス」にて女性初の最優秀醸造家に輝くなど高い名声を誇る醸造家ナディーヌ・ギュブランを採用し、瞬く間にトップドメーヌの仲間入りを果たしました。ドメーヌと畑の名前でもあるペルドリは、エチケットにヤマウズラが描かれています。ペルドリはこの畑を99%所有している最大の所有者。
1995年メオ・カミュゼの「オー・ブドー」は、アンリ・ジャイエの薫陶を今に受け継ぐ名門ドメーヌです。1959年当時ジャン・メオは、ドメーヌの管理をするわけにはいかない状況にあり、畑を折半耕作の形で小作人に任せ、出来上がったワインは樽のまま売られていました。この時の小作人でドメーヌのワインを手がけていたのが、ブルゴーニュの神様、アンリ・ジャイエです。オー・ブドーはヴォーヌ・ロマネ村に隣接した畑で、華やかなアロマと肉付きの良いボディが魅力のワインです。
1985年ポール・ミセレの「クロ・ド・ラルロ」は、1859年に設立したワイン商で、ルイ・マックス社の傘下。フランス国内でも殆ど流通が無く日本への入荷は希少です。何といっても、このワインの凄いところは、あの有名なドメーヌ・ド・ラルロが単独所有している畑クロ・ド・ラルロの偉大な1985年を、ルイ・マックス社が秘蔵・所有していたところでしょうか。
1985年アンリ・グージュの「レ・ヴォークラン」の創始者アンリは、原産地呼称制度の発展に生涯をかけた人。1930年代までのブルゴーニュでは、フェイクワインが横行し、ローヌ産のワインまでもが高名な村名をまとったボトルに化けていました。ワインは樽で売買されるのが商慣行で、それから先の品質は良くも悪くもネゴシアン次第、そうした事態に対し悠然と立ち向かったのが、マルキ・ダンジェルヴィルやアンリ・グージュです。それにより自らワインを瓶詰めする、ドメーヌ元詰のワインが誕生しました。1級畑レ・ヴォークランは、ニュイ・サンジョルジュ村の中央に位置する畑で、肉付きの良い果実味と、レースのように滑らかな舌触りのタンニンが魅力の素晴らしいテロワール。
トリは、市場では滅多にお目にかかることのできないカリスマ醸造家としてその名を馳せた1976年カティアール・モリニエ「オー・ミュルジェ」です。カティアール・モリニエは、シルヴァン・カティアールの祖父アルフレッドが1930年に設立したドメーヌで、お爺ちゃんと孫が造った同じ畑の、35年の年月の軌跡を味わっていただきます。二度と無い機会です。どうぞお見逃しなく。スタッフ一同、皆様のご参加をお待ちしています。
定員 13名様 お一人様より承ります。
~ブルゴーニュ編1990年~
【20世紀偉大なヴィンテージ 1990年】
1990 Chassagne Montrachet Abbay de Morgeot(F.Larose)
1990シャサーニュ・モンラッシェ・アベイ・ド・モルジョ(ドメーヌ・フルーロ・ラローズ)
1990 Volnay Champans(M.d'Angerville)
1990ヴォルネー ・シャンパン(マルキ ダンジェルヴィル)
1990 Pommard Grand Epenots(F.Gaunoux)
1990ポマール・レ・グラン・ゼプノ(フランソワ・ゴヌー)
1990 Nuits Saint Georges Les Saint Julien(M.Chevillon)
1990ニュイ・サン・ジョルジュ・レ・サン・ジョルジュ(ミッシェル・シュヴィヨン)
1990 Vosne Romanee Les Malconsorts(Clos Frantin)
1990ヴォーヌ・ロマネ・レ・マルコンソール(クロ・フランタン)
1990 Echezeaux(F.Lamarche)
1990エシェゾー(フランソワ・ラマルシュ )
1990 Chambolle Musigny(G.Roumier)
1990シャンボール・ミュジニー(ジョルジュ・ルーミエ)
1990 Bonne Mare(L.Jadot)
1990ボンヌ・マール(ルイ・ジャド )
9月第2弾は、南のシャサーニュ・モンラッシェ村から北上し、モレ・サン・ドニ村に辿り着くルートで攻めてみたいと思います。
まずはフルーロ・ラローズのシャサーニュ・モンラッシェ・アベイ・ド・モルジョから出発。現在は4代目当主のニコラ・フルーロと日本人の奥様・久美子さんが家族とともに運営しています。その住まいはドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティのオーナーがワイン貯蔵庫として建てた城館で、2018年9月9日には日本から皇太子殿下も訪問した名門です。1級畑「アベイ・ド・モルジョ」は、モンラッシェの南に位置する、シャサーニュ屈指の区画で、畑はシトー派の大修道院の周りを囲むように存在しています。
続くマルキ・ダンジェルヴィユは、約200年に渡りワイン造りを行っている老舗ドメーヌです。“偉大なワインはブドウの収量を制限した収穫から生まれる”という理念に基づき、1株につき6房のみの凝縮したブドウを栽培しています。「シャンパン」は石ころが多く、水捌けに優れ、ラズベリー、ダークチェリーなどの果実香のある口当たり柔らかでスムースな喉越し。シルキーなタッチはこれぞヴォルネイと言えます。
フランソワ・ゴヌーはアンリ・ゴヌーという優れたブドウ栽培家の一族から、1972年に相続により2つのドメーヌに分割されました。1つがムルソー村に本拠地を置くフランソワ・ゴヌーで、もう1つが古典的ワイン生産者として知られ、ポマールに本拠地を置くミシェル・ゴヌー。1級畑「レ・グラン・ゼプノ」は、ポマールらしい肉厚で筋肉質なアスリート体型。豊かな果実味と透明感のあるピュアな酸が奏でる、上質な余韻が魅力です。
ミシェル・シュヴィヨンは、1987年に父親のジョルジュからドメーヌを引き継いだ、名門シュヴィヨン一族で、有名なロベールの従兄弟です。畑はヴォーヌ・ロマネ側の村名畑名付き「オー・サン・ジュリアン」で、ニュイ・サン・ジョルジュの牧歌的で親しみやすく暖かい、そんなイメージ通りの味わいです。
クロ・フランタンは、1969年よりアルベール・ビショー社の傘下となり、特級畑を中心に合わせて13haの自社畑を所有しています。「レ・マルコンソール」はドメーヌ物で、ラ・ターシュの南に隣接し、ヴォーヌ・ロマネ最良の1級畑。豊かなボディと気品溢れる骨格、パワフルかつエレガントなバランスのよさ、豊かな果実の香りと調和のとれた長い余韻をもつ偉大なワインです。
フランソワ・ラマルシュは1740年から5代続く名門ドメーヌで、ロマネ・コンティとラ・ターシュの間に位置するモノポールの特級畑ラ・グラン・リュを単独所有するドメーヌとしても有名です。ラマルシュの「エシュゾー」は、異なる3区画のブドウをブレンドし、その異なる個性が合わさることにより、絶妙なバランスを表現した複雑味溢れるスタイルを有しています。
ジョルジュ・ルーミエは1924年創業で、この村に収まらずブルゴーニュ全体を代表するスーパー・ドメーヌです。1982年に参画し1992年に全てを任された現当主クリストフが、その評価を確立させました。本日ご用意した「シャンボール・ミュジニー」1990年は、父ジャン・マリとの共作。村名物とはいえ30年以上を経たルーミエのワインを飲む機会は貴重です。
本日のルートの最終地点はモレ・サン・ドニ村。ルイ・ジャドはブルゴーニュ屈指のドメーヌ兼ネゴシアンで、「ボンヌ・マール」はドメーヌを代表する特級畑です。モレ・サン・ドニ村とシャンボール・ミュジニー村にまたがる絶好の場所に位置する畑で、力強くしなやかで優しい、という両村の良さを兼ね備えたワインです。畑の名前は諸説ありますが、ルイ・ジャドの天才醸造家として名高いジャック・ラルディールによれば“妖精をあらわす古語”との事。まさに30年の眠りから目覚めたピノ・ノワールの妖精の、優雅で煌びやかで芯のある、豊かな果実味を味わって下さい。
ブルゴーニュを南から北へと巡る小旅行を楽しむ一日。それも至極の1990年物で。どうぞゆったりお楽しみください。
~ボルドー右岸編1990年~
【20世紀偉大なヴィンテージ 1990年】
1990 Vieux Chateau Certan(Pomerol)
1990 ヴィユー・シャトー・セルタン(ポムロール)
1990 Chateau L`Evangile(Pomerol)
1990 シャトー・レヴァンジル(ポムロール)
1990 Chateau Troplong Mondot(St.Emilion)
1990 シャトー・トロロン・モンド(サン・テミリオン)
1990 Chateau Tertre Roteboeuf(St.Emilion)
1990 シャトー・テルトル・ロートブッフ(サン・テミリオン)
1990 Chateau Beausejour Duffau Lagarrosse (St.Emilion)
1990 シャトー・ボーセジュール・デュフォー・ラガロース(サン・テミリオン)
1990 Chateau Figeac(St.Emilion)
1990 シャトー・フィジャック(サン・テミリオン)
1990 Chateau Ausone(St.Emilion)
1990 シャトー・オーゾンヌ(サン・テミリオン)
9月第1弾は、最もメルロ種が輝くボルドー右岸を巡る一日。
まずは「ヴィユー・シャトー・セルタン」から出発します。ポムロールで最も古いシャトーの1つで、ペトリュス、レヴァンジル、ラ・コンセイヤントと言った名だたるシャトーが集まるこの村の心臓部に位置しています。当主のアレクサンドルはティアンポン家の一族の一人で、ル・パンのジャック・ティアンポンとも従兄弟の関係。戦前はペトリュスよりも評価が高く、この村の最高峰に位置していました。アレクサンドルが継承した1986年以降完全復活し、かつての栄光を取り戻しています。90年は完全に飲み頃で、品格の高さが素晴らしい!
続く「シャトー・レヴァンジル」は、北をラ・コンセイヤント、ヴィユー・シャトー・セルタン、ペトリュス、南をシュヴァル・ブランに隣接する、ポムロールきってのテロワール。そして5大シャトー筆頭のラフィットを所有するドメーヌ・バロン・ド・ロスチャイルドが1990年からオーナーになり、多額の投資と厳しい管理を実施したことですます品質が向上しています。スケールが大きく骨格のしっかりした凝縮したワインから、濃厚でまろやかでありながら品格ある優雅さと繊細さも感じさせるスタイルへと進化しています。90年は完全な成功を収めた完璧なワインです。
「シャトー・トロロン・モンド」は、2006年のサン・テミリオン格付け見直し時、第1特別級Bに昇格を果たしたシャトーです。クリスティーヌ・ヴァレットが父親からシャトーを受け継ぎ、亡くなった現在は後継者不在のため大手保険会社に売却。ヴァレット家はヴィユー・シャトー・セルタンのジョルジュ・ティエンポンから購入していて、その関連性も面白い。PP99を獲得した伝説の1990年で評価を確立し、2000年代に入ってからも進化を続けています。「もう一度90年のような年が来れば良いと思っているが、残念ながらそうはいかない」と言わせた最高傑作。
シャトー・テルトル・ロートブッフは、サン・テミリオンの最上のパーセルとされる南西斜面に6ヘクタールを所有する小規模シャトーで、芸術と哲学を愛するフランソワ・ミジャヴィルが、1977年に義父から継承しています。オーガニック栽培で葡萄をギリギリまで完熟させ、発酵もコントロールせず35度に達するという、自然任せの昔の技法で造られたワインは、圧倒的なスケールと、同時に純粋さも併せ持っています。そして90年はこのシャトーの金字塔とも言える、凄みさえ感じさせる偉大な出来です。
「シャトー・ボーセジュール・デュフォー・ラガロース」は、サン・テミリオンの石灰岩のプラトー(台地)に位置する最高の立地で、1847年からデュフォー・ラガロース家が所有しています。単に「シャトー・ボーセジュール」と呼ばれることもあり、近年さらに評価を高めているサン・テミリオンで最も注目のシャトーです。もともとテロワールに優れていたとはいえ、それまでパッとしないワインばかりを造っていたこのシャトーが、90年に突然驚くべきワインを造り世界中を驚嘆させたのが、本日ご用意したワインです。時のロバート・パーカーに“現代の偉大なボルドーの伝説の1つ”と言わしめ、何度も100点を更新しています。その驚嘆すべき奇跡のワインが登場します。
「シャトー・フィジャック」は、迷走しているサン・テミリオンの格付け制度とは言え、2022年ついに念願の第1特別級Aに昇格しました。テロワールの素晴らしさは誰もが認めていて、それはシュヴァル・ブランがかつてフィジャックの畑の一部であった事で証明されています。シュヴァル・ブランより砂利質が多いため、砂利を好むカベルネ・ソーヴィニヨンの比率が極めて高いことがフィジャックの味わいの決め手となっています。本来のテロワールの実力を発揮する前の時代のワインとはいえ、90年という最良の年の恩恵を受け、その魅力は十分に感じられる、気品に満ちた美しい味わいです。
トリを飾る「シャトー・オーゾンヌ」は、ボルドー8大シャトーに数えられ、いまやペトリュスを凌ぐ入手困難度と高評価を得るシャトーです。その理由の1つは畑の面積がわずか7haしか無いこと。これはシュヴァル・ブランのわずか5分の1、ペトリュスの3分の2という小ささです。サン・テミリオンのプラトーに位置し、ボルドー右岸最高のテロワールと言われているこのシャトーを、1997年に継承したアラン・ヴォーティエが完全に蘇らせました。世界中のワインで最も厳しく、内向的で知的、精神的な美しさを有するワインとなる以前の作とはいえ、やはり90年の圧倒的な美味しさを感じさせる素晴らしさ。退廃的なメルロとは真逆ですが、このシャトーがメルロの到達したもう一方の究極です。
この貴重なワインを体験できるのは、シノワのゲストの方の特権です。スタッフ一同ぜひご参加をお待ちしています。