regular tasting レアものから年代物まで、様々なワインを・・・

レアものから年代ものまで、毎回様々なテーマを絞り込みセレクトしたシノワワイン会のご案内です。 お好きなお時間にご来店していただき、それぞれのテーブルでご自由にお楽しみください。
但しワインは 17:30 に抜栓します。

8 August 2024
11 Sunday

~温暖化の始まり 2003年を再検証する~

【沸騰するブルゴーニュ!】


¥84,800 消費税・サービス料別

2003 Chablis Grand Cru Les Preuses( Vincent Dauvissat)
2003 シャブリ・グラン・クリュ・レ・プルーズ(ヴァンサン・ドーヴィサ)
2003 Corton Charlemagne(J.Prieur)
2003 コルトン・シャルルマーニュ(ジャック・プリウール)
2003 Meursault Charmes(C.Lafon)
2003 ムルソー・シャルム(コント・ラフォン)
2003 Puligny Montrachet Les Pucelles(V.Leflaive)
2003 ピュリニー・モンラッシェ・レ・ピュセル(ルフレーヴ)
2003 Chassagne Monrashet Boudriotte(Ramonet)
2003 シャサーニュ・モンラッシェ・ブードリオット(ラモネ)
2003 Montrachet(M.Colin)
2003 モンラッシェ(マルク・コラン)

今回のワイン会は、2003年のブルゴーニュのシャルドネにフォーカスし、20年の時を経過した異形のヴィンテージの現在の姿に迫る1日です。2003年はヨーロッパ中が今まで経験したことがない熱波に襲われた年で、1540年以来の記録的な暑さを計測しました。その死者2万人以上。特にフランスは酷く14800人以上が亡くなりました。もちろんワインに及ぼす影響も甚大で、シャブリのあるヨンヌ県では、40度以上の日を8日連続で記録し、他の産地でも軒並み40度を超える日が続きました。葡萄農家は過去に体験した事がない気温上昇に狼狽し、酸味がなくなることを恐れ、その多くは8月中旬から末には収穫を終えています。リリース直後は種の苦味が口中を覆い、酸味が弱く輪郭の緩いワインが大半を占めましたので、私達も影響が顕著な白ワインの購入は控えていました。そんな異形の年の最上生産者のワインを6種取り揃え、20年以上経過したワインがどのように成長したかを検証します。

まずは熱波の被害が直撃したシャブリから、最上ドメーヌで近年異常なほど価格が高騰しているヴァンサン・ドーヴィサの「レ・プルーズ」を。その人気の秘密は今では貴重な古典的なシャブリらしさ。そして完璧なヴィオディナミによるテロワールの表現と、伸びやかで一点の曇りもない美しい酒体。そして海の香りを伴いキラキラと輝くこの地特有のミネラルの美しさ。加えてドーヴィサのこの畑は唯一の南向きの急斜面という最高立地です。2003年はヴィオディナミのため、暑さに負けないブドウを収穫でき、低収量による凝縮故に、長期熟成のワインになったと、本人の弁。この年を代表する成功作からスタートします。

続く「コルトン・シャルルマーニュ」はドメーヌ・ジャック・プリウールによるものです。9つのグラン・クリュと14のプルミエ・クリュを持つブルゴーニュ唯一最大のドメーヌで、1988年からフランス人女性として初のワインメーカー・オブ・ザ・イヤーを獲得した、ナディーヌ・ギュブランが醸造を手掛けてから、その評価はさらに高まりました。775年から続くシャルルマーニュ大帝の由緒ある畑。ビオ・ロジックでコルトンの丘の中腹に位置します。その個性は新樽による弾けるような樽香が品よく香り、果実味もたっぷり、この畑らしいスケールの大きいワインです。

そしてブルゴーニュ最高峰の3ドメーヌによる1級畑の競演です。まず最も豊かでグラなワインのできるムルソー村の「シャルム」から。コント・ラフォン所有の3大畑の一角で、当主は1985年から運営する4代目ドミニク・ラフォンです。シャルムは最もムルソーらしい畑と言われ、中でも最高区画を有するラフォンのワインがこの畑の最高峰に位置します。ヴィオディナミで完璧に管理されたその畑から、この上なく豊潤で優しくしなやかなワインが生まれます。続くピュリニー・モンラッシェ村の「レ・ピュセル」は、この村最上の1級畑で、生産者はルフレーヴ。とくれば品質は折り紙付き。そのドメーヌが2003年にどのようなワインを造ったのか?ワインラヴァーなら誰もが注目するところです。手掛けるのは、これまた女性、そしてブルゴーニュ随一と目せられる、アンヌ・クロード・ルフレーヴ。1990年に跡を継いだのち、すぐにヴィオディナミを採用し、1997年にはすべての畑を転換、その先進性はほぼ時を同じくしてヴィオディナミを始めたマダム・ルロワと双璧です。その後先代ヴァンサンを超える名声を確立しましたが、残念ながら2015年に亡くなりました。2003年はその絶頂期に造られたもの。ピュセルはバタール・モンラッシェとビアンヴニュ・バタール・モンラッシェの北隣に位置し、ブルゴーニュ随一の気高さと言われています。そしてシャサーニュ・モンラッシェ村からは「ブードリオット」。生産者はこの村の頂点に君臨するラモネです。2003年当時は先代アンドレの時代ですが、実質的に造っているのはジャン・クロードとノエルの兄弟。そして2003年は成功例としても有名です。ラモネのブードリオットはモルジョの中の小区画レ・フェランドのブドウから造られ、斜面の上のより優れた場所。できるワインもこの村特有のオレンジの花の香り漂う華やかさと、豊かな果実味と豊富なミネラルが調和した重層的な味わいという素晴らしさです。

トリはお待ちかね「モンラッシェ」の登場です。有名なコラン一族の先代マルク・コランの作。現在ドメーヌを運営するのはカロリーヌ、ジョセフ、ダミアンの3人で、長男は2005年に自身のドメーヌ、ピエール・イヴ・コラン・モレを立ち上げています。2003年は父親マルクと長男ピエール・イヴの共作。モンラッシェの畑は16人の所有者がいて、マルク・コランはシャサーニュ側の斜面上部にわずか0.11haを所有し、年2樽のみという貴重なものです。1252年の文献に登場するこの由緒正しい特別な畑は、紆余曲折を経てその評価は不動のものとなりました。1855年のラヴァル博士の格付けでは、ロマネ・コンティやシャンベルタンを抑え、ブルゴーニュ最上の畑の称号を与えられ、有名なアレクサンドル・デュマの“ひざまずき脱帽して飲むべし”という台詞が、全てのワイン通が避けて通れない羨望のワインに位置付けました。マルク・コランのモンラッシェはスケールの大きさと果実の厚みに溢れ、引き締まり、かつミネラリーで、透明感のある美しさを有し、これぞモンラッシェと言える完全無比の出来栄えです。しかし2003年はどのようなワインになったのか?

ブルゴーニュ・ラヴァーならぜひ体験していただきたいワインです。今後の温暖化によるワインの将来を占うのにも、興味深い体験です。熱波の2003年のワインの現在はいかに?皆様のご参加をお待ちしています。

7 July 2024
14 Sunday

~飲まねば死ねない!黄金のネクター~

【至高のワイン モンラッシェを味わう】


¥68,800 消費税・サービス料別

2018Chassagne Montrachet Morgeot(P.Y.C.Morey)
2018 シャサーニュ・モンラッシェ・モルジョ(ピエール・イヴ・コラン・モレ)
2018Puligny Montrachet Champs Canet(J.C.Ramonet)
2018 ピュリニー・モンラッシェ・シャン・カネ(ジャン・クロード・ラモネ)
2015Chevalier Montrachet Les Demoiselle(L.Jadot)
2015 シュヴァリエ・モンラッシェ・レ・ドモワゼル(ルイ・ジャド)
2009Batard Montrachet(B.Gagnard)
2009 バタール・モンラッシェ(ブラン・ガニャール)
2009Chevalier Montrachet(M.Nillon)
2009 シュヴァリエ・モンラッシェ(ミシェル・ニーヨン)
2009Montrachet(Ch.de Puligny Montrachet)
2009 モンラッシェ(シャトー・ド・ピュリニー・モンラッシェ)

今回のワイン会は、ブルゴーニュの至高にして白ワインの頂点、モンラッシェを中心に、プルミエ・クリュ、グラン・クリュを取り揃え、贅沢にたっぷりと堪能していただきます。

ご存知のようにモンラッシェとは、ピュリニー・モンラッシェ村とシャサーニュ・モンラッシェ村にまたがる至高の畑。あらゆる要素を兼ね備えたワインが「モンラッシェ」と言えます。その類稀な個性は、他のすべての白ワインを凌駕し、無限の広がりと細部の緻密さ、優雅さと厳格さ、精神性と官能性、そして孤高でありながら親密、など様々な表情を有しています。テロワールは東南から南向きの完璧な斜度にあり、表土の50センチ下は石灰質に程よく粘土質が混じった軽やかな土壌で、排水に優れ、時には保水性もあるという完全無欠の畑。そんな無双なワインを巡る一日です。

まずはプルミエ・クリュ2種の飲み比べからスタート。ピエール・イヴ・コラン・モレはマルク・コランの長男でありながら跡を継がず、自分の名を冠したドメーヌを興したライジング・スター。対するジャン・クロード・ラモネは100年以上の歴史を誇る名門の3代目。どちらも確立した名声を持ち、最高評価のワインを造っている、ブルゴーニュ・ラヴァー垂涎の生産者のものです。

続くルイ・ジャドは誰もが知る大手ネゴスでありながら最上のドメーヌ物も造っています。ご用意するワインはエリティエ・ルイ・ジャド表記の、ジャド家が代々継承した自社畑。造り手は稀代の天才醸造家ジャック・ラルディエール。「レ・ドモワゼル」はシュヴァリエ・モンラッシェの中にある区画で、ルイ・ラトゥールと半分ずつ所有しています。特にジャドが造るレ・ドモワゼルはモンラッシェにも対抗できるほどの出来と評価されています。畑名は19世紀の所有者だった2人のマドモワゼルに由来しています。

その後は最高峰、3つのグランクリュを同じ2009年で飲み比べ。2009年は際立ったスケールを持ち、豊潤さと滑らかさのある、近年最高のヴィンテージ。モンラッシェを中心に、上部にシュヴァリエ、下部にバタールという位置関係です。下部にある「バタール」は表土が厚く重いため、風味豊かで重厚、骨格もがっしりし、オイリーで噛めるように肉厚なのが特徴。ブラン・ガニャールはドメーヌ・ガニャール・デラグランジュを引き継いだ名門ガニャール一族。「シュヴァリエ」はモンラッシェの名が付く兄弟畑の最高位で、最上部に位置し、表土も薄く石が多いため、ミネラリーで繊細で品格のある美しいワインになるのが特徴です。ミシェル・ニーヨンの畑は、ルフレーブから借りていた区画をそのまま買い取ったもの。白い花とデリケートな白い果実、鉱物由来のミネラルの香りがあり、しなやかで華があり、気品にあふれたワインです。まさに究極の洗練度をもつ貴族的なワインです。最後はお待ちかねの「モンラッシェ」の登場です。1252年の文献に登場した最も由緒正しき畑で、バタールとシュヴァリエの良いところ全てを、さらに深遠さと神秘性を有している、ワインラヴァー垂涎のワインです。ジャスパー・モリスはその著書ワイン大全の中で、「なぜ、ル・モンラッシェはこれほど熱狂するワインなのか?」と問いかけています。その答えは飲んだ人のみが知りえます。造り手のシャトー・ド・ピュリニー・モンラッシェは2002年からエティエンヌ・ド・モンティーユが醸造に関わり、畑をヴィオディナミに改良し、優れたワインを造り続けています。

ブルゴーニュ・ラヴァーなら避けては通れない、そして飲まずには死ねない、黄金のネクター。どうぞ皆様のご参加をお待ちしています。



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  • お1人様より承っております。
  • キャンセルは、開催日の3日前までにお願いいたします。
  • 当日、ワインのコンディションよっては同等クラスのものと交換させていただく場合もございます。予めご了承ください。
  • ワインは 17:30 に抜栓します。
  • 表示金額は税込表記になっております。
    10%のサービス料を頂戴いたします。
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